はじめに 立命館大学助教授 中村忠男 画家ラヴィ・ヴァルマとインド大衆宗教画 中村忠男 インド大衆宗教画との出会い Ken-ichi ＊中村氏の解説文については、加筆訂正を行い、後日このページで公開する予定です。 なお、「インド大衆宗教画との出会い」については、すでにHPに掲載している文章と 重複する部分が多いため割愛させていただきます。 第一部 Ravi Varmaとその周辺 |
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 ガルダに乗るヴィシュヌ ラビ・ヴァルマ（1848〜1906）による作品（石版画） 51×36cm |
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 ラクシュミ（Lakshmi） 幸運と豊穣の女神。 これはRAVI VARMA PRESS製の石版画に鏡絵の加工が施されているという珍しいもの。 女神の背景の海の部分にも細かい描線が刻まれていて非常に美しい。 石版 鏡絵 画面：54.5×39cm 額縁：65.5×50cm 採取地：カニャークマリ |
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 サラスヴァティー 日本では、サラスヴァティーは弁財天、ラクシュミは吉祥天として知られています。 このサラスヴァティーと上の鏡絵の元になったラクシュミの絵はRavi Varma作の 石版宗教画のなかでも特にポピュラーなもので、現在のインドでも商店の壁面などに 架けられているのをときおり見かけます。 石版 50×35.5cm RAVI VARMA PRESS 1928という記載あり |
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 モヒニ モヒニとは「この上もなく魅惑的な女性」という意味。 マハーバーラタの中には、タンダーバ国において男であるクリシュナがモヒニ という女性となって地上に出現し、アラバン王子と結婚するというくだりがあります。 なお、英語タイトルは「TEMPTRESS」となっています。 石版 51cm×36cm RAVI VARMA PRESS 採集地：Mysore |
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 Ras Kreeda（恋の戯れ） 月の光の下でたわむれるクリシュナと牧女たち。クリシュナが「分身の術」を使って牧女たちの 踊りの相手をしたという話を描いたものです。近代インドの聖者ラーマ・クリシュナによれば、 この逸話は、どの信者にとってもクリシュナ神は「最愛の人」であり、「わたしだけのクリシュナ」である、 ということを表しているのだそうです。 Vasudeo.H.Pandya画 石版 51×36cm Printed in Germany SHREE VASUDEO PICTURE Co. TRADEO. BOMBAY （1928） |
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 Shri Kamalkar インドの神様は多くの別名を持っています。Shri Kamalkar（完成者）というのも クリシュナの別名であると思われます。 石版 52cm×36.5cm RAVI-VARMA-PRESS. MALAVLI-LONAVLA. 採取地：PORBANDAR |
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 童子神としてのムルガン（スブラマニア） 南インドのタミル人の間で崇拝されているムルガン神は、六つの顔、１２本の腕を持ち孔雀を乗り物とする。 古代には山地で焼き畑や狩猟を営む部族民の信仰する神であったらしいが、 しだいに戦いの神、軍神としての性格を強め、シヴァ神の息子でガネーシャの息子の スカンダとも同一視されるようになった。神話によれば、ムルガンは永遠に若く勇敢で知恵に満ち、 輝く槍ヴェールを持ってスールという破壊的な力と戦い、スールは孔雀と雄鶏に変わり、各々神の乗り物と 旗になったという。ムルガンは多くの別名を持ち、プレアデス（昴）に育てられた伝承からカールッティケーヤ、 子どもの姿で表されるのでクマーラ、またスブラマニアとも呼ばれる。ビーズや布等を縫いつけることによって 絵を装飾することは、当時インドでよく行われていた。 石版画 50×36cm |
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 Raja Ravi Varma（1848〜1906） |