天使の世界 6. HOME １ ２ ３ ４ ５ ６ ７ ８ ９ 10 11
中級三隊（第２ヒエラルキア）の天使たち 能天使（エクスシアイ）、力天使（デュナメイス）、主天使（キュリオテテス）
「第２ヒエラルキーは、太陽によって照らされるあらゆるものの背後に存在します。そもそも私たちが
感覚を通して生きる周囲の世界において、太陽によって照らされたり、養われれたりすることが
ないものが存在するでしょうか。すべてのものは太陽によって、養われるのです。
このような第２ヒエラルキアの天使たちは、とりわけ太陽のなかに居住地を持っています。
第２ヒエラルキーの存在たちは太陽から、目に見える世界を支配します。目に見える世界とは、
第２ヒエラルキーの存在たちが示現したものなのです。」
（宇宙のカルマ・第三講）
・主天使、力天使、能天使をそれぞれ、「流れる生命」、「活動する音」、「形成する光」、と言い
表すことができます。
・宇宙から地球に向かって力天使（中級三隊）の力が注ぎ込んでいます。地球内部からは、
あらゆる方向に向かって座天使（上級三隊）の力が流れ出しています。
この２つの力が出会うところが地表です。この流れ込む力と、流れ出す力の均衡が地表として現れています。
そして能天使（中級三隊）は、太古の時代に流動的な状態にあった地表を静め、形態を与えました。
「まなざしを地球の周囲に向け、上空を見上げるとき、自然の力と現象のなかに見えるものはすべて、
本来、第２のヒエラルキア（中三隊の天使たち）の働きによるものです。地の深みを眺めたときに見えるものは、
すべて第３のヒエラルキア（ここでは第１ヒエラルキア、すなわち上級三隊の天使たちのこと）の働きに
よるものです。第２のヒエラルキア、第３のヒエラルキアの独特の共同によって、わたしたちの周囲の
世界が構成されました。水、空気、火という三つの自然元素が、（上級三隊の天使たちである）意志の霊
たち（座天使）、ケルビム（智天使）、セラフィム（熾天使）と結びついています。形態の霊（能天使）
たちは、どの自然現象のなかでみずからを告げるのでしょうか。形態の霊（能天使）たちは、わたしたちが活動し、
生き、存在する地表の上で舞う存在です。彼らは宇宙空間からやってきて、地球から発するもの
（上級三隊の天使たちの働き）のなかに自分の力を展開します。わたしたちが観察すると、彼らは太陽光線の
なかに集中しています。光の中に形態の霊たちは生き、活動しています。光の作用が動きの霊たち（力天使）
と意志の霊たち（座天使）が共同する境界に展開すると、個体形態が生じます。
人間は光の力の彼方、形態の霊たちの彼方に存在するものを見るための器官を持っていません。
光の中に織り込まれているものを洞見するための器官を、人間は持っていません。地上で解体、組み立ての
原因となるもの、地上で化学的な力として作用するものは、すべてここではまだ光の中に織り込まれています。
そこは本質的に動きの霊（力天使）たちの領域です。化学的な組み立てと解体の作用のなかにたんなるマーヤ
（幻影としての性質を持つ、地上の物質の外見…引用者よる注）として見られるものに、なにかを知覚することを
学ぶと、動きの霊（力天使）たちの声を聞き、ピタゴラス学派やその他の秘教的学派が語っている天体の音楽を
知覚できるようになります。それはゲーテが、太陽を光を発するものとしてではなく『太陽は昔のままに響きを
発し、兄弟の星々と歌を競っている。そして定められた旅路を、雷のようなとどろきを発しながら進んでいく』
（『ファウスト』）と述べていものです。」
（民族魂の使命）
中級三隊の天使たちの性格
・中級三隊の天使たちの性格は、「殻から出たかたつむり」というイメージで示すことができます。
殻は、かたつむりの身体のなかに含まれていた物質からできています。かたつむりが殻を切り離すと切り
離したものは客観的なものとして存在し続けます。同じことが中級三隊の天使たちについても言えます。
彼らは下級三隊の天使たちのように自分自身を開示するだけではありません。中級三隊の天使たちは、
自らの本質を自分から切り離し、その本質は一個の独立した存在としてとどまります。
中三隊の天使たちが内的な体験をします。すると天使たちが内的に体験するものは一種の外皮、表皮の
ように分離し、一個の独立した存在性を得ます。彼らが何か別なものをイメージして、新たにみずからを
開示するとき、彼らが過去に創造したものはまだ存在しています。
彼らがイメージを分離するたびに彼らの刻印を帯びた一種の外皮が霊的なまなざしに映り、彼らの内面で
生命が喚起されます。自己創造による客体化が彼らの外面であり、自己創造による生命の喚起が
彼らの内面です。
下級三隊の天使たちの姿は一種の光のように、精神的なまなざしには見えますが、中級三隊の天使たち
の、外部への分離をともなう生命の流出、生命の刺激は、霊的な響き、天体の音楽のように聞こえます。
（天使たち妖精たち ＊Ken-ichによる要約）
人間のカルマと中級三隊の天使たち
・人間が死んでからふたたび地上に誕生するまでのあいだに、その人が前世から携えてきた‘人生の果実’に
応じて、第２ヒエラルキアの天使たちの影響によってその人間の共感と反感が形作られます。
人は人生を共に生きていく人を、共感、反感によって見出します。どんなことに共感を持ち、どんなことに反感を
もつかということが、その人の人生に大きく影響することを 考えると、それらの天使たち共感と反感の形成を通
して人間のカルマに関わると言うことができます。 （カルマの形成・第二講）
・人間の感情の背後にあるすべてのものに関しては、人間は第２ヒエラルキアの天使たちで満たされています。
（宇宙のカルマ・第四講）
・第２ヒエラルキアの天使たちは、主として人間が性的に成熟する14才頃から、３５才ころまでの間に働きかけます。
（宇宙のカルマ・第二講）
人間の良心と中級三隊の天使（能天使、主天使）たち
・睡眠中の人間の自我とアストラル体は肉体（物質的身体）から離脱しており、毎朝目覚めるさいに再び肉体
のなかに入り込まなくてはなりませんが、肉体は、精神、心魂が入り込もうとするのに対して抵抗する性質を
具えています。このとき人間に協力してくれるのが、能天使や主天使です。彼らのこのような働きかけは、
人間の「良心」とも関係しています。
「エクスシアイ（能天使）とキュリオテテス（主天使）は、私たちが眠っている間に、大天使と一体になりながら
言語の霊性を通して獲得したものを、私たちが目覚める際に、物質体の衝動や欲求の中へともたらします。
エクスシアイやキュリオテテスの力がなければ、本来物質体は私たちに抵抗する性質を具えているのです。
物質体の衝動や欲求の中へともたらされたものは、良心の声として燃え上がります。つまり私たちが眠りの
中から肉体へともたらすものが、良心の声として燃え上がることになるわけです。そして、このことによって、
良心の声の中で、大天使よりも高次のヒエラルキーである、エクスシアイやキュリオテテスによって与え
られたものが作用することになるのです。
私たちがこの物質界を見渡すと、良心を強く発達させることでよりよい衝動や本能を獲得している
人間に出会うことがあります。このような場合、言語の理想主義によってキュリオテテスやエクスシアイが
正しい方法でこの人に働きかけたのです。」 （天使と人間）
睡眠中の人間と中級三隊の天使たち
・中級三隊の天使たちは、睡眠中に心魂（アストラル体）に去られた人間の物質器官、
エーテル器官（特に呼吸）を世話します。
＊ ＊ ＊
・中級三隊の天使たちから分離して自然界に下った存在として、植物の群の群魂、動物の群の群魂が存在します。
人間はひとりひとり自我を持っていて、自分のことを「わたし」と言える存在であるのに対し、
動物では、「わたし」という意識は個々の動物には受肉しておらず、群の魂の中に自我を持っています。
例えば一匹一匹のミツバチは人間で言うと指とか足など、体の一部分のようなもので、
ミツバチという「種」が自我を持ったひとりの人間に相当します。
「物質界を考察すると、『人間は地上に自我を有している。地上が人間の住家である。人間は地上の
被造物の中で、もっとも傑出したものである。』というのは正しいことである。アストラル界（心魂界）では、
まったく違っている。アストラル界に歩み入ると、秘儀参入者は、物質界にはまったく見出せない存在を数多く
知る。なによりも、動物の属の魂、群の魂を知る。地上で人々と交際するように、アストラル界で、動物の
群の魂と交遊する。動物は物質界には、物質体、エーテル体、アストラル体しか持っていない。
自我は物質界にではなく、アストラル界に存在するのである。わたしたちの十本の指が一つの共通の
魂を持っているように、ある属の動物たちは共通の魂をアストラル界に有している。ライオン、犬、蟻などの
動物の属の自我は、一個の存在としてアストラル界（心魂界）に存在している。自我がアストラル空間にあって、
さまざまな動物をマリオネットのように綱でつないでいるのである。植物にも、そのような群の魂がある。
しかし、植物の自我は神界（精神界）にある。「綱」は、もっと高くまで達しているのである。そして金、
ダイヤモンド、石などのように、共通の素材からできている鉱物は、共通のグループの魂を神界（精神界）の
上位の部分に有している。」
（神智学の門前にて）
能天使 エクスシアイ（Exusiai）
・シュタイナーは「形態霊」、「開示たち」、「激しい力たち」とも呼んでます。
・旧約聖書創世記には「はじめに神（エロヒム）は天地を創造した」と書かれています。
エロヒムは「われわれににかたどって、われわれに似せて、人をつくろう」と言っています。
エロヒムはエル（神）の複数形なのですが、なぜかこの「エルたち」が「神」と訳されてきました。
旧約聖書で「主なる神」は「エロヒム」ではなく、ヤハウェと呼ばれる存在ですが、
ヤハウェは月において活動し、太陽において活動する他の６柱のエロヒムを統治、指導するそうです。
シュタイナーによると、エロヒムは能天使たちのことで、ヤハウェはその中の一柱だということです。
能天使たちは天地創造の「神々」なのです。
能天使のはたらき
・能天使は地球を中心として、太陽までを、その支配領域としています。
光を衣とし、地球に光を注ぐ太陽存在です。
能天使は、人間の人生の中間の三分の一の期間（21才〜43才）に働きかけます。
植物、動物、人間等が形態を有するのは能天使の働きの結果です。鉱物・結晶の形態も
能天使の働きによります。
人間が立ち・考え・語るのはエクスシアイ（能天使）のおかげです。
…というように世界において、一言では説明できないような様々な、働きをしています。
人間に自我を与えた存在
・能天使が果たした特に大きな働きとして、人間に自我意識を与えたということがあげられます。
能天使は、土星期に人間の肉体に、太陽期には生命体に、月期にはアストラル体に形態を与えました。
そして地球期になって、人間に自我意識を与えました。
旧約聖書では、モーセに名前を問われて、「わたしは‘我あり’である」と答えています。
「我あり」という名前の神さまです。この呼び名は、能天使が、人間に「わたし」という言葉を発する可能性を
与えた存在であることに関係があるようです。
能天使はまた、火を物質的身体とする大天使と、風を物質的身体とする天使を自分の協力者にしています。
このことは聖書の中では「そして神は炎を従者とし、風を使者とする」という言葉で語られています。
＊ ＊ ＊
能天使と同じ位階に存在する、「進化から逸脱した霊」
・本来は主天使になるはずだったのですが、進化から逸脱して能天使の段階にいる存在によって人種が形成され、
遺伝をとおして伝わっていくようになったそうです。彼らは正常な能天使が本来意図していたよりも、人間を
自分が生きる地域、土地（気候、平地か高地かなど）に依存した存在にしました。シュタイナーは、この存在を
人種の霊と呼んでいます。
・「進化から逸脱した形態の霊」は五つの惑星（土星、木星、火星、金星、水星）に活動の中心を持っています。
力天使 デユナメイス（Dynameis）
・シュタイナーは運動霊とも呼んでます。
地球を中心として、火星までをその支配領域とします。
人間に魂（アストラル体）を与えた存在
・主天使は、土星期に人体に運動能力を付与し、太陽期には人間の生命の中に感性を流入させました。
そして月期に人間に魂体（アストラル体）を付与しました。それによってこの時期の人間は、夢の意識に
似た意識状態に達しました。
・シュタイナーは、力天使が古土星を濃縮、圧縮し、現在の木星の軌道までの直径を持った、巨大な
古太陽を出現させたと述べています。
これは、多くの人にとっては、まったく荒唐無稽な、SF的な話としか思えないでしょう。ただ、シュタイナーの
宇宙進化論は、人間の構成要素についての説明やルシファー、アーリマンの性格づけなど、シュタイナー
思想のなかの、わりあい納得しやすい部分とも密接、複雑に関連しあっていて、緻密な織物のような
統一体をなしています。 深く読み進んでいけば、初めは荒唐無稽と思われた宇宙進化論もわりあい
納得出来るようになると思います。
・月進化期の初めに、進化したデュナメイスと進化から逸脱したデュナメイスとの戦いがあり、精妙な太陽と
硬い月ができた、とシュタイナーは述べています。
・宇宙から地球に注ぎ込むデュナメイスの力と、地球内部から流れ出るトローネ（座天使）の力が出会うところが
地表です。エクスシアイ（能天使）は、太古の時代に流動的な状態にあった地表を静め、形態を与えました。
（民族魂の使命）
・デュナメイスから分離したのが動物の群の霊魂です。なお、四大霊のうち、火の精（サラマンダー）は動物の
群の霊魂からさらに分離、派生したものです。
主天使 キュリオテテス（Kyriotetes）
・シュタイナーは叡智の霊とも呼んでいます。
・木星の軌道内をその支配領域とする。
・土星期に人体に叡智に満ちた組織を持ち込みました。
・叡智の霊（主天使）は、地球の外から作用を送り、たゆたう光と空間に織り込まれる「天体の音楽」の
なかに働きかけます。地上に宇宙エーテルの生命が注がれるのです。生命が宇宙空間から、
地上に注がれ、それを地上の存在たちが受け取ります。その生命は叡智の霊たちから来るのです。
（民族魂の使命）
・主天使が、土星期に存在していた熱を空気へと凝縮し、古太陽が出現しました。
人間に生命を与えた存在
・太陽期に自らの本質から惑星上に生命を流出し、人間に生命を与えました。
・太陽期に座天使からささげられた「供犠」を受け取る主天使と、受け取らない主天使がいました。
「供犠」を受け取った主天使が宇宙に流出する彼らの本質は、空気になりました。そして「供犠」を
受け取ることを断念した主天使がいた結果、水が生じました。断念という行為が、水として宇宙に
出現したというのです。
・キュリオテテスの末裔が植物の「集団自我」です。
また、鉱物の心魂（アストラル体）はキュリオテテスの領域から作用しています。