「どのようなことを考えても税金はかからないということわざほど真実でないものは、ほかにない。

どのような思考も、どのような感情も一個の現実である。もし、わたしがだれかを悪い人間だと思ったり、

そのひとを愛さなかったりすると、その人のアストラル体（魂体）に向かって稲妻や銃弾のように矢が発せられ、

その人のアストラル体を害するのがアストラル体を見ることのできる者には見える。どのような感情も、

どのような思考も一個の存在、一個の形姿である。アストラル体を見ることのできる者が見ると、

他人を肉体的に害するよりも、他人に対して悪い考えを持つほうがずっと悪いのが見られる。この真実を

知らせることがモラルを築くことなのである。」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　RudolfSteiner「神智学の門前にて」（イザラ書房　西川隆範訳）より

「西洋において純粋に思考の中で生まれ変わりの理念に至った方法と、仏教がこの理念を唱える方法との

あいだには大きな違いのあることを、明らかにしておかなければいけません。どのようにしてレッシングが

『人間の教育』のなかで生まれ変わりの理念にいたったかに目を向けると、興味深いものです。

そうすると、仏教における生まれ変わりとの比較だけでなく、仏教の特徴が明らかになってきます。

レッシングの考えは、仏教とはまったく異なっています。（中略）

『人間の教育』をよく調べると、分かってきます。『人間の進化のなかに、厳密な意味で、進歩が見出される』

と、私たちは思うことが出来ます。レッシングはそれを、『この進歩は、神的な力による人類の教育である』

と表現しています。つづいて、『神性は人間に、最初の基礎となる本を与えた。旧約聖書である。こうして、

人間の進化のある段階が基礎づけられた。人類がさらに進化すると、第二の基礎となる本が与えられた。

新約聖書である』と、書かれています。

そしてレッシングは、新約聖書を超えるものとして、『真善美についての、人間の心魂独自の感受』を

見ています。これが人類の神的教育の第三段階です。壮大な方法で、人類の教育が神的な力によって

遂行されるというのです。

そして、『どのように、この進歩は説明されるのか』という考えが彼に生じました。

人類進化の意味は、『各々の心魂が、それぞれの人類文化期に関与することである』と、レッシングは

説明しました。それ以外の説明は不可能でした。ある心魂は旧約聖書の文化期に生き、別の心魂は

新約聖書の時代にしか生きないなら、意味がないというのです。心魂があらゆる文化期を通過し、

人類のあらゆる教育段階に関与するなら、意味があります。（中略）

こうして生まれ変わりの理念が、レッシングの頭から現れてきました。レッシングの基礎にあったのは、

『ある心魂が旧約聖書の時代に受肉したなら、その時代に受け取ることのできるものを、受け入れただろう。

その心魂がのちの時代にふたたび現れたら、以前の人生の成果を、つぎの人生にたずさえていくことが

できる。第二の人生の成果は、第三の人生にたずさえていかれる』という考えです。」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　R.Steiner Von Jesus Zu Christus 西川隆範訳

「前世でその人間から流出した愛は他者から帰ってきて、喜びに変化します。

（中略）みなさまがだれかを通して喜びを体験したなら、その喜びはみなさまがその人に前世で注いだ

愛の成果であります。（中略）わたしが知っている人々の心魂からやってくる鏡像は、

再び反作用を及ぼします。そして、それが今や人間と世界についての軽やかな理解の基盤、衝動となります。」

「『外から流れてくる苦悩の大部分は、前世における憎しみの結果である』とわたしはいいます。

その次の地上生に至ると、蓄積した憎しみの結果である苦悩として流れてきたものの結果が、

精神の愚鈍、世界洞察の鈍感さとして心魂の中にもたらされます。」

「『ある地上生における愚かさは、かつての地上生における憎しみの結果である』ということができるのです。」

「愛→喜び→開かれた率直な心／憎しみ→苦悩→愚鈍　　　　これは、絶対的な関連です。」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　RudolfSteiner「カルマの形成」（イザラ書房　西川隆範訳）より